枯れ葉剤

物心ついた時から、家から少し歩いた場所には、錆びた鉄屑やヘルメットがたくさん転がっていた。それらは草木や畑の野菜のように、自然の景色の一部だと思っていた。それがアメリカ軍の残した戦争の落とし物と知ったのは、少し大きくなってからのことだった。

戦争。恐ろしい言葉。戦争のせいで世界中の人々が苦しんできた。ある日、故郷のフエにある平和村を訪ねた。館内に一歩入ると、普段は見かけない障害を持った子供が大勢いた。体は痩せ細っているのに頭は風船みたいに膨らんでいる子や、手足が不自然に曲がった子供たち。どの子も何も言わない。意味のわからない動きをもぞもぞと繰り返していた。

彼らの重い障害が、枯れ葉剤の影響だと説明されて衝撃を受けた。何週間経っても重苦しい気持ちが消えなかった。あの日は僕にとって意味深い日となった。人には優しく接しよう。そして自分より苦労している人には手助けをしようと思うようになった。あの子たちは僕らと同じように学校へ通い、駆け回ったり笑ったりすることが出来るはずだったのだ。

枯れ葉剤は、ベトナム戦争でアメリカ軍が空から撒いた化学薬品である。本来この薬剤は、ジャングルの樹木の葉を枯らし、その下に潜むベトナム軍を攻撃をしやすくするために散布されたが、戦後に大きな問題が発生した。枯葉剤に含まれる成分に催奇性があり、その後、現在までベトナム 国民に大きな苦しみをもたらしている。

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今回アメリカへ行くまで、アメリカ人に対して、戦争が好きな怖い国民というイメージを持っていた。だから、このツアーを心から楽しみに出来なかった自分がいた。しかし、実際にアメリカに行って感じたこと、それは殆どのアメリカ人が平和を望み、戦争に反対しているということだった。

コンサートはワシントン平和センターと草の根NGO「アジア子供の夢」の主催で、一人でも多くの人に枯れ葉剤で苦む人の存在を知ってもらう目的で開かれた。その意味で、コンサートは大成功だった。アメリカと日本のスタッフのスタッフの支えで、僕も歌を通じて自分の役割を果たすことが出来、喜びでいっぱいだった。

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一緒に出演したアメリカ人のグループ、Emma's revolutionは、ワシントンを拠点にアメリカ各地で平和運動のために歌っている。歌の合間にはジョークも交え、会場を明るくさせていた。

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今回で4回目の共演となるWaynoは、アメリカだけではなく、日本、ベトナム、カンボジアなどを回って歌と演奏で人々を支援している心温かいメンバーだ。

最後になりましたが、アメリカのスタッフの皆さん、日本のスタッフの皆さん、有意義な活動に参加させて頂いたこと、心から感謝しています。

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音響のスタッフさんも、本当にありがとうございました。

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by haitrieu | 2008-11-30 22:21
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